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業務ポリシー

​弊所の仕事の考え方

▶1. 「トラブルを起こさない」ことから始まった仕事

 

5年ほど前まで、私たちの仕事の主なテーマは、

「従業員とのトラブルを、いかに起こさないか」でした。​

労働法を守る。

就業規則を整える。

適切な労働時間管理をする。

問題が起きたときには、会社として適切に対応する。

それは今でも、社労士の重要な仕事です。

会社を守ること。

従業員との無用なトラブルを防ぐこと。

法令を守り、適切な労務管理を行うこと。

そこに社労士としての大きな役割があることは、今も変わりません。

▶2. でも、それだけで会社は良くなるのだろうか

 

さまざまな会社の仕事に関わる中で、少しずつ疑問を持つようになりました。

トラブルを防ぐ。

問題が起きないようにする。

制度を整える。

それだけで、本当に会社は良くなっていくのだろうか。

実際には、

「就業規則は整っているのに、現場では守られていない」

「評価制度を作ったのに、社員の行動は変わらない」

「求人票を見直したのに、応募が増えない」

「給与を改善したのに、人が定着しない」

「『何かあれば報告してほしい』と言っているのに、問題が起きると誰も報告しない」

そんな会社があります。

そこには、法律や制度だけでは説明できないものがありました。

▶3. 問題を起こしているのは「人」なのか

 

ある会社で問題が起きたとき、

「問題を起こした社員が悪い」と考えることは簡単です。

しかし、その社員は、なぜその行動を選んだのでしょうか。

何をすると評価されると思っていたのでしょうか。

何をすると怒られると思っていたのでしょうか。

困ったとき、誰かに相談できると思っていたのでしょうか。

過去に何度も「報告しても怒られる」という経験をしていたとしたら、

次に問題が起きたとき、

その人が報告しないことは、それほど不思議ではありません。

人は、制度だけを見て働いているわけではありません。

日々の経験をもとに、

「この会社では、こうするのが普通だ」

という予測をつくり、その予測に従って行動しています。

▶4. 私たちは、それを「組織の癖」と考えています

 

会社には、それぞれの「癖」があります。

たとえば、

「忙しいときは、とにかく現場が何とかする」

「問題を報告すると面倒なことになる」

「頑張っても評価は変わらない」

「管理者が全部抱える」

「お客様の要求は断れない」

「ベテランのやり方には口を出せない」

こうしたものは、就業規則には書かれていません。

しかし、社員は知っています。

そして、その「癖」が、日々の判断や行動をつくっています。

採用できない。

人が辞める。

残業が減らない。

事故やミスが報告されない。

管理者が疲弊する。

制度が機能しない。

そうした問題の背景に、組織の「癖」があることがあります。

だから現在の私たちは、目の前の問題だけを解決しようとはしません。

その問題を生み出している組織のあり方まで見ようとします。

▶5. データと現場の両方を見る

 

だからといって、私たちは「経験と勘」だけで組織を判断することもしません。

必要に応じて、

  • 賃金

  • 労働時間

  • 人件費

  • 採用状況

  • 離職状況

  • 求人市場

  • 地域の人口や産業構造

  • 事業所の収支

などのデータを確認します。

数字を見ることで、見えていなかった問題が見えてくることがあります。

しかし、数字だけでは、

「なぜ、そうなっているのか」

までは分かりません。

だから、データを見る。

そして、現場を見る。

経営者や管理者、社員の話を聞く。

そこで得た仮説を、もう一度データで確かめる。

私たちは、データと対話を行き来しながら、問題の構造を考えます。

▶6. 制度は、目的ではなく「社会技術」です

 

私たちは、就業規則や給与制度、人事制度を単なるルールとは考えていません。

制度は、人の行動に影響します。

何を評価するのか。

何に賃金を払うのか。

何を報告させるのか。

何を禁止するのか。

会社として何を大切にするのか。

制度は、会社から社員へのメッセージでもあります。

だから、

「法律上正しい制度を作る」

だけでは十分ではありません。

その制度によって、

「社員にどんな行動をしてほしいのか」

まで考える必要があります。

私たちにとって制度は、

組織を変えるための社会技術です。

▶7. 求人票も、組織づくりの一部です

 

「応募が来ないから、求人票を改善する。」

もちろん、それも一つの方法です。

しかし私たちは、その前に考えます。

なぜ応募が来ないのか。

地域の求人市場では、どのような条件が提示されているのか。

自社の賃金や労働条件はどうなのか。

会社が伝えたい魅力と、社員が実際に感じている魅力は一致しているのか。

そして、

求人票に書かれている、会社と実際の職場は一致しているのか。

求人票だけを変えても、職場そのものが変わらなければ、採用の問題は根本的には解決しません。

だから私たちは、求人票も組織づくりの一部だと考えています。

▶8. 「トラブルを防ぐ」から、「会社をより良くする」へ

 

5年前までの私たちは、

「会社をトラブルから守ること」

を仕事の中心に置いていました。

今は、それに加えて、

「会社がより良く機能するためには、何を変えればいいのか」

を考えています。

もちろん、法律を守ることは大前提です。

労働トラブルを防ぐことも重要です。

しかし、それはゴールではありません。

トラブルを起こさない。

人を採用する。

人に辞められない。

残業を減らす。

制度を整える。

それらはすべて、その先にある

「会社をより良くする」

ための手段です。

▶9. だから、私たちは「何を変えるか」を最初から決めません

 

就業規則を変えることが必要な会社もあります。

給与制度を変えることが必要な会社もあります。

求人票を変えることが必要な会社もあります。

管理者との対話が必要な会社もあります。

データを分析することから始めたほうがいい会社もあります。

大切なのは、

「何を売るか」ではなく、「その会社に何が必要なのか」

を考えることです。

そのために、

現場を見る。
データを見る。
人の話を聞く。
組織の癖を見る。
必要な制度を考える。

実際に変えてみる。
そして、その結果を見る。

この繰り返しを大切にしています。

▶10. 社労士として、会社を守る

 

そして、その先へ。

私たちは、社労士です。

だから、法律を守ります。

会社を守ります。

従業員とのトラブルを防ぎます。

しかし、それだけでは終わりません。

会社には、それぞれの歴史があり、

それぞれの経験があり、

それぞれの「当たり前」があります。

その「当たり前」が、人の行動をつくっています。

だから私たちは、

制度だけではなく、その制度が置かれている組織そのものを見る。

そして、

会社の中にある「当たり前」を、少しずつ変えていく。

それが、現在の弊所の仕事の考え方です。

制度は目的ではありません。

組織を変えるための手段です。

会社を一方向から見ない

 

では、実際に会社の中で何が起きているのかを、私たちはどのように見ているのでしょうか。

経営者との対話だけでも、従業員との対話だけでも、データだけでも、会社の全体像は見えてきません。

経営者から見える会社、従業員から見える会社、会社を取り巻く環境、そして公的データなど、いくつかの方向から会社を見て、それらを重ね合わせながら「この会社では何が起きているのか」を考えていきます。

その具体的な見方について、こちらで紹介しています。

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