今鶴実践社労士事務所|東京都中央区
組織の「癖」を変える
経営者のための組織づくり支援
私たちは、会社を一方向から見ません。こちらの記事で、私たちが会社をどのように見ているのかをご紹介しています。
目次
なぜ組織は変わらないのか
就業規則を整え、評価制度を刷新し、研修も行った。それでも、現場の空気はいつの間にか元に戻っている——多くの経営者様が、一度は感じたことのある違和感ではないでしょうか。
弊所は、この違和感の正体を「組織の癖」と「職場の環世界(かんせかい)」という2つの視点から捉えています。制度という「仕組み」を整えるだけでなく、その仕組みが実際にどう機能しているか、そこで働く人々にはどう見えているかを合わせて捉えることで、初めて組織は変わり始めます。
組織の「癖」とは何か
癖は、特定の個人の性格や能力の問題ではありません。人と人との関わり方が繰り返されることで生まれる、組織全体のパターンです。
▶こんな問題はおきていませんか?
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評価制度を作ったのに行動が変わらない
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会議で、最初の一言が出るまでに長い沈黙が生まれる
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悪い報告ほど、現場から経営層に届くまでに時間がかかる
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管理職が育たない
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社長が言わないと動かない
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「決めたつもり」で終わり、実行段階になると誰も動かない
これらは、誰か一人の意識や能力の問題として片づけられがちですが、実際には組織という一つの系(システム)の中で、日々の相互作用が積み重なって生まれている「癖」です。だからこそ、制度や規程だけを変えても、この癖が変わらない限り、組織はやがて元の形に戻ろうとします。
職場の「環世界」とは何か
同じ会社に属していても、経営者に見えている景色と、現場で働くドライバーや介護スタッフに見えている景色は、まったく別のものです。
経営者にとって「当然」と思える方針が現場に伝わらない、あるいは伝えたつもりでも現場の行動が変わらない――その最大の理由は、能力や意欲の差ではなく、そもそも見えている世界(環世界)が違うことにあります。同じ組織図の中にいても、立場によって経験している現実は異なります。この違いに気づかないまま発信を続けても、すれ違いは埋まりません。
「癖」を変える方法:対話による組織の再構築
組織は、一度作ったら固定される「モノ」ではありません。日々の会話や物語(ナラティブ)を通じて、絶えず作られ続けているものです。
だからこそ、組織の癖を変える最も確実な方法は、規程を書き換えることではなく、対話の質と対話の場そのものを変えることにあります。立場によ って異なる「見えている景色」を、あらためて言葉にし、共有し直す。そのプロセスこそが、癖を書き換える力を持っています。
▶モデルケースで見る、弊所の進め方
ここまでご紹介したのは、組織の癖・環世界という「考え方」です。では、実際にご相談いただいた場合、どのように進むのか——具体的にイメージしていただくために、架空のモデルケースでご紹介します(注1)。
STEP1│最初のご相談
「評価制度を新しくしたのに、現場の空気が変わらない」「社長が言わないと誰も動かない」——B社の相談は、こうした言葉から始まります。弊所ではまず、その制度がいつ、どんな経緯で作られたか、そして経営層と現場、それぞれに今どんな景色が見えているかを伺うところから始めます。
STEP2│現状把握(対話とデータの両輪)
勤怠データやアンケートといった定量的な把握と、経営者ヒアリング・現場ヒアリングといった定性的な把握を組み合わせます。この段階で、「経営者から見える景色」と「現場から見える景色」が、実はまったく違うものであったことが、具体的な言葉として浮かび上がってくることが多くあります。
STEP3│組織診断とギャップの発見
制度と実態のギャップを分析すると、「評価制度は変わったのに、なぜ行動は変わらないのか」の背景に、組織に染みついた「癖」——たとえば「悪い報告ほど、現場から経営層に届くまでに時間がかかる」といったパターンが見えてくることがあります。これは誰か一人の問題ではなく、組織という系の中で繰り返されてきた相互作用の結果です。
STEP4│対話の場の設計と伴走
見えてきた「癖」に応じて、立場ごとに異なる「見えている景色」を、あらためて言葉にし、共有し直す対話の場を設計します。管理職支援や、行動変容の仕組みづくりにも接続します。一度の対話で終わるものではなく、状況の変化に合わせて継続的に伴走するのが弊所のスタイルです。
以上はあくまで進め方をイメージしていただくための一例です。実際のご相談内容やご状況は事業者様ごとに異なりますので、まずは現状をお聞かせいただくところから始めます。
この考え方について、もう少し
「組織の癖」「環世界」という考え方について、弊所代表が別の場所で綴った文章から、いくつかの言葉をご紹介します。
▶組織の「癖」はなぜ生まれるのか
エドガー・シャインの組織文化「3層モデル」で見ると、制度や理念は表層にすぎません。奥にあるのは、誰も決めたわけではないのに全員がそれに従っている前提です。
「それは、誰も決めていないのに全員が従っているルールだ」
「第1層や第2層を素晴らしい人事制度や美辞麗句を連ねた企業理念でいくら整えても、第3層がそれと矛盾していれば、組織は癖のある方向に引き戻される」
「挑戦を大切に」と謳いながら、実際には失敗が許されない現場では、こんなことが起きています。
「頭では『挑戦しろ』というメッセージを受け取りながら、身体は『動くな』という信号を受け取っている」
制度をどれだけ書き換えても行動が変わらないのは、この奥の層に手が届いていないからです。
▶「体験」が組織を動かしている
従業員は就業規則や評価制度を熟読して行動しているわけではありません。読んでいないから、ではなく、人がそもそもそういう生き物だからです。
「人は制度を『読んで理解する』のではなく、職場の空気を『身体で感じ取り』、それに従って動く」
「設計された組織がどれほど整合的でも、体験された組織がそれと食い違っている限り、行動は変わらない」
だからこそ、弊所がまず見ているのは制度の文言以上に、現場でどう「体験」されているかという部分です。
「制度を変える前に、まず体験を設計するという発想が必要だ」
▶現場では、どう介入しているのか
理論だけでは現場は変わりません。たとえばトラック運送業のドライバーには、こうした環世界が積み重なっていることがあります。
「過去の『助けを求めても無視された』経験が積み重なると、未来の出来事まで『また変わらないだろう』と先取りして未来を構成してしまいます」
これに対して、実際には次のような手法で少しずつ働きかけています。
「ドライバー向け匿名アンケート+個別ヒアリングを実施」
「最初は1運行・1ヶ月限定のトライアルに留め、成功したら広げる。これが重要です」
「社労士が進行役となり、経営層とドライバー代表の意見交換会を定期開催」
こうした積み重ねの先にあるのは、次のような変化です。
「『だれも助けてくれない』という環世界が、少しずつ『少しは応答してくれるかも』という世界に変わっていく」
弊所がご支援できること
弊所では、以下のようなプロセスを通じて、組織の癖の見直しをご支援しています。
▶支援内容
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勤怠データ、アンケート等による現状把握
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経営者ヒアリング
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現場ヒアリング
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組織診断
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制度と実態のギャップ分析
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立場ごとに異なる「見えている景色」を可視化する対話の場の設計
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管理職支援
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人事制度・評価制度の見直し
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行動変容の仕組みづくり
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課題の再設定と、経営層・現場双方を巻き込んだ改善プロセスの伴走
建設業、トラック運送業、介護福祉事業、IT事業など、社会基盤を支える現場を持つ企業様ほど、経営層と現場の距離が組織の成否を分けます。労務管理顧問としての知見と、対話を軸にした組織開発の視点を掛け合わせ、制度だけでは届かない部分をご支援いたします。
まずはお話をお聞かせください
注1:「B社」は特定の実在企業を示すものではなく、進め方をご説明するために作成した仮想のモデルケースです。実際のご相談内容は、機密保持の観点から公開しておりません。
