今鶴実践社労士事務所|東京都中央区
トラック運送業の労務管理支援
目次
はじめまして
今鶴実践社労士事務所と申します。
弊所は主に、建設業、道路貨物運送業、介護福祉事業、IT企業等の社会基盤となる事業の人事労務支援を行っている社会保険労務士事務所です。
2024 年問題の進捗
残業時間の上限規制、改正改善基準告示が各企業様の36 協定の始期から順次適用開始となります。 2024年問題の課題解決の進捗状況はいかがでしょうか。 2024年問題は一般的に「輸送能力の不足」とされていますが、道路貨物運送業の現場の 2024年問題の課題は、 もう少し解像度を上げて考えなくてはなりません。
▶トップマネジメントの「役割」
自社にとって2024年問題とは何か。自社における問題を特定して課題を設定し、改善策を策定するという、重要な役割を担っています。
2024年問題の認識を深めるとともに、将来の自社の展望を明確にし、従業員をはじめとするステークホルダーへ、ナラティブアプローチを行いましょう。自社で立案した戦略について、チームを活用した統合的な改善が実行できるように、組織全体に推進していくことが求められます。
▶残業上限規制への対応
他業種では36協定の特別条項で、残業の上限が年 720 時間とされているところ、道路貨物運送事業は、2024 年 4 月から、年 960 時間の残業の上限時間が適用開始となりました。今後ますます時間管理が重要になります。
▶稼働時間減による売り上げ減少への対応
稼働時間減による売り上げ減少への対応は最も重要な課題と言えます。稼働時間は減少しても、現状に近い売り上げを上げなければなりません。つまり、売上高÷稼働時間 を最大限向上させるという生産性の向上が課題となります。これには、IT技術を活用したシステムの導入が解決の糸口となり得ます。例えば、「トラック受付予約システム」の導入と活用,製造・倉庫・運送・販売の物流業界全体で取り組む「物流BMS」は効果が高いと考えられます。そのほか生産性を向上させる手段としては「一貫パレチゼーション」や「スワップボディ車」導入による荷役作業時間の短縮、「高速道路・ETC2.0」の活用や「ダブル連結トラック」導入による高速輸送・大量輸送化です。しかし、これらはいずれも自社のみで導入できるものではありません。関係者が一体となった対応が必要です。
▶まとめ
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2024年問題は「輸送能力不足」だけでなく、①経営判断、②残業上限規制(年960時間)、③稼働時間減による売上減少への対応、という3つの課題に整理できます。
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稼働時間が減っても売上を維持するには、生産性(売上高÷稼働時間)を上げる必要があります。
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IT活用や物流BMS等の対策は自社単独で完結せず、荷主・取引先を含めた関係者との連携が欠かせません。
2026年施行の法改正

2026年4月1日は、物流業界にとってまさに「構造改革の施行日」です。2本の法律が同時に全面施行されます。
▶改正貨物自動車運送事業法の一部施行
❶ 違法「白トラ」利用への荷主罰則
最も大きな転換点の一つです。荷主等が、白ナンバーのトラックで有償貨物運送を行う者(違法な白トラ事業者)に運送委託を行った場合に、新たに処罰の対象となります。無許可業者と知りながら運送を依頼した荷主に対しても、100万円以下の罰金が科される可能性があります。さらに要請に従わない場合などは「勧告」が行われ、その事実と社名が公表されます。
❷再委託は2回以内(努力義務)
貨物自動車運送事業者及び貨物利用運送事業者に対して、再委託の回数を2回以内までとする努力義務が課されます。
荷主→1次→2次→3次(実運送)が実質的な上限の目安となり、多重下請けによる中間マージンの是正を目的とします。
❸❹書面交付義務・実運送体制管理簿の対象拡大
これまでは自社でトラックを保有する「一般貨物自動車運送事業者」のみがその対象でしたが、2026年4月以降は、自社ではトラックを保有しない「貨物利用運送事業者」も同様に対象となります。運送区間・附帯業務・燃料サーチャージ等を書面で明示する義務が、いわゆる「水屋」にも及ぶことになります。
▶改正物流効率化法の施行
❺ 特定事業者の指定と届出義務
特定荷主・特定連鎖化事業者は取扱貨物の重量9万トン以上、特定倉庫業者は保管量70万トン以上、特定貨物自動車運送事業者等は保有車両台数150台以上が指定基準です。
❻ CLO(物流統括管理者)の選任義務
特定事業者が選任しなければならない物流統括管理者(CLO)の資格要件として「事業運営上の重要な決定に参画する管理者的地位にある者をもって充てなければならない」と定められる方針で、役員クラスを基準に選任する必要があります。選任を怠った場合には、100万円以下の罰金が科される可能性があります。
❼❽ 中長期計画の作成・定期報告
荷待ち時間削減、積載率向上、共同配送などの効率化施策を含む中長期計画を策定し、定期報告する義務が課されます。
▶今後の追加施行「トラック適正化二法」
2025年6月に公布されたトラック適正化二法により、トラック運送事業者は、自ら貨物を運ぶときや、他の運送事業者が行う運送を利用するときは、国土交通大臣が定める「適正原価」を下回らないようにすることが定められました(施行日:公布の日から3年以内)。これにより標準的運賃については廃止されますが、施行まで引き続き運賃交渉の参考とされます。
▶まとめ
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2026年4月、改正貨物自動車運送事業法と改正物流効率化法が同時に施行されます。
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荷主罰則の新設、再委託2回以内(努力義務)、書面交付義務の対象拡大など、多重下請け構造の是正が主眼です。
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特定事業者(保有車両150台以上等)には、CLO(物流統括管理者)の選任、中長期計画の作成・定期報告が新たに義務づけられます。
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さらに「トラック適正化二法」により、将来的には国土交通大臣が定める「適正原価」を下回らない取引が求められます(施行は公布から3年以内)。
改正改善基準告示への対応
残業代抑制策としての「歩合給制度」の分析
トラック関連行政のこれから
弊所ブログでご紹介しています。
・2025/11/28 下請法改正を歓迎するトラック運送業界が直面する実効性の課題
・2025/11/21 価格交渉はどう変わるか?改正下請法が定める「価格決定」と「支払い」の新ルール
・2025/11/18 「構造的な価格転嫁」の実現へ。令和8年施行「下請法・下請振興法」改正の全体像
・2024/6/17 フリーランス法のガイドラインが公表。フリーランス法特設サイトも公開されました。
・2024/5/31 全ト協が「自動車運送業分野トラック区分における特定技能外国人受け入れの手引き」を公表しました。
・2024/5/28 「個人事業者等の健康管理に関するガイドライン」が公表されました。
・2024/4/25 貨物自動車運送事業法改正案が参議院でも可決しました。 附帯決議(衆議院4/10)(参議院4/25)
・2024/4/19 「自動車運送業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」に係る運用要領 が公表されました。
・2024/3/29 「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針」等の変更が閣議決定しました。
・2023/11/29 「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」が公表されました。
・2023/12/21 貨物軽自動車運送事業の自動車運転者に係る労働者性の判断事例が公表されました。
課題解決のための「知識資源」を培うセミナー・勉強会講師を承っています
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残業上限規制 / 改正改善基準告示の解説セミナー
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改善基準告示とデジタコ集計表のみかた解説セミナー
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2024 年問題とトラック運送業の課題を考えるセミナー
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価格交渉と賃上げを考えるセミナー
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「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」 の解説セミナー
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社会保険適用拡大の解説セミナー
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トラック運送業の課題解決のための組織開発セミナー
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トラック運送業の人事ポリシーを考えるワークショップ
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トラック運送業のこれからの人事制度を考えるセミナー
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トラック運送業の定着施策を考えるセミナー
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トラック運送業の就業規則を考えるセミナー
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運行管理者試験勉強会の講師 等
課題解決のご支援をしています
・労働生産性の向上
例えば、荷待時間・荷役時間の削減を目標に、時間管理の徹底を。
長距離輸送の改革を目標に、ツーマン運行によるワークシェアを。
・経営改善
例えば、賃金アップを目標に、運送原価計算と運賃設定を。
労働時間削減を目標に、労働時間の設定と管理を。管理スタッフの働き方の改革を。
ITを活用した運行管理の効率化を目標に、デジタコ等を活用した運行管理、労働時間管理を。
・人材の確保と育成
例えば、ドライバーの処遇改善の為に、給与体系の見直しを。週休2日制の導入を。年次有給休暇の取得促進を。
職場と会社の魅力度アップの為に、女性と高齢者が働きやすい職場のデザインを。