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運転者の技能・能力に応じた賃金支払い義務化
──2028年施行予定、トラック運送業の給与制度に迫る法改正
2025年6月に成立した法改正により、トラックドライバーの技能・能力に応じた公正な評価に基づく賃金支払いが運送事業者の法的義務になります。施行はまだ先ですが、省令の中身が固まってから動き出すのでは間に合わない部分もあります。現時点でわかっていること、まだ決まってい ないことを整理しました。
1. 背景:トラック適正化二法とは
2025年6月、「貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」と「貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する法律」の2つの法律(通称:トラック適正化二法)が成立しました。トラック運送業界の適正な運営とトラックドライバーの経済的・社会的地位の向上を目的とした議員立法です。
2. 何が義務付けられるのか
トラック運送業界の適正な運営とトラックドライバーの経済的・社会的地位の向上に関して、改正法では、運送事業者に対して、運転者その他の労働者が有する知識・技能その他の能力についての公正な評価に基づく、適正な賃金の支払その他の処遇確保のための措置を実施することが義務付けられます。「頑張っても給料が変わらない」という構造そのものに、法的な網がかかる形です。
3. 施行時期
公布(2025年6月11日)から3年以内の施行とされており、2028年6月頃までに施行される見込みです(一部には2年の経過措置があります)。同じ二法の中でも、利用運送事業者の書面交付義務や実運送体制管理簿の作成義務、白ナンバー規制などは、すでに2026年4月1日から施行されています。
4. まだ決まっていないこと
「知識・技能・能力をどう評価するか」「賃金水準をどう定めるか」といっ た具体的な中身は、今後の国土交通省令に委ねられており、2026年8月時点ではまだ確定していません。省令の内容が明らかになり次第、このページも更新していきます。
5. 今のうちに準備しておけること
省令の詳細を待ってから動き始めても、実務上は十分間に合わないことが多いのが実情です。
今のうちに整理しておけることとして、
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ドライバーの技能・経験を、給与制度の中でどう位置づけているか(歩合給・手当等の設計)の棚卸し
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評価の根拠となる基準(無事故日数、燃費、点呼記録等)が、社内に蓄積されているか
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評価と賃金のつながりを、社内で説明できる状態になっているか
があります。
歩合給制度・給与設計そのものについては「トラック運送業の歩合給制度と給与設計」ページもご覧ください。
弊所の姿勢
この制度は、適正原価(運賃)の告示とあわせて、同じ「トラック適正化二法」の中で動いています。適正原価については、2026年7月の第1回検討会に続き、8月26日の第2回検討会で算定の骨格に関する議論が具体化してきました。運転者への賃金支払いに関する省令の検討状況もあわせて継続的に確認しており、動きがあれば随時このページを更新します。