実務レター Vol.1|労基法改正の議論・ストレスチェック義務化・介護報酬改定・適正原価制度

更新日:2 日前

「こんなことが話し合われています、準備しておきましょう」という視点で、審議会での議論を中心にお届けします。
■労務管理:労働基準法改正、議論の行方
労働基準法の改正法案は2025年12月、通常国会への提出が見送られました。ただ2026年2月の施政方針演説では、裁量労働制の見直し、副業・兼業時の健康確保措置、テレワーク等柔軟な働き方の拡大について、引き続き検討を進める方針が示されています。法案化はまだ先ですが、論点の方向性は労働政策審議会労働条件分科会で継続的に議論されており、動きがあれば早めにお伝えします。
(1次資料:労働政策審議会(労働条件分科会)https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-rousei_126969.html )
■職場のメンタルヘルス:ストレスチェック、50人未満事業場にも義務化へ
労働政策審議会安全衛生分科会での議論を踏まえ、ストレスチェックの実施義務が、現在努力義務にとどまっている50人未満の事業場にも拡大される見込みです(2028年4月施行予定、2028年4月〜2029年3月に最初の実施を行う猶予期間つき)。厚生労働省は2026年2月、小規模事業場の実態に配慮した実施マニュアルを既に公開しています。対象拡大まで時間があるうちに、実施体制(実施者の確保、集団分析の活用方法等)を検討しておくと、施行時に慌てずに済みます。
(1次資料:第185回労働政策審議会安全衛生分科会資料 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/newpage_00057.html /小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001646587.pdf )
■介護福祉事業:令和9年度介護報酬改定、検討スタート
社会保障審議会介護給付費分科会で、令和9年度介護報酬改定に向けた検討が始まっています。8月5日の分科会では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、高齢者住まいへのサービス提供、地域区分などが議題に上がりました。介護人材確保に向けた処遇改善・生産性向上も引き続き主要テーマです。改定内容が固まるのは先ですが、議論の初期段階から流れを追っておくと、対応の準備がしやすくなります。
(1次資料:第262回社会保障審議会介護給付費分科会資料 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75011.html )
■トラック運送業:適正原価制度、算定式の骨格が見え始める
8月26日、国交省の「適正原価の設定に向けた有識者検討会」第2回が開催され、実車率50%按分を廃止し、回送分も含めた全走行を対象に算定する方向性が示されました。多重下請構造の末端事業者への賃金転嫁を担保する仕組みも検討されています。地域・車種区分やドライバーへの賃金支払いの詳細は、10月予定の第3回検討会に持ち越しです。
(1次資料:適正原価の設定に向けた有識者検討会 https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_mn4_000022.html )
■今月の数字(令和8年7月分・厚生労働省/総務省公表)
有効求人倍率:職業計1.05倍/建設従事者4.24倍/自動車運転従事者2.53倍/介護サービス職業従事者3.82倍(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75707.html )
完全失業率:2.4%(前月比0.1ポイント低下)(https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html )
審議会の議論は、決まってから対応するのでは遅いことがあります。早い段階から流れをお伝えしていきますので、ご参考にしていただければと思います。
※この記事は、顧問先・関与先の皆さまにお送りしている「実務レター」Vol.1(2026年9月11日配信)を掲載したものです。内容は配信時点の情報です。


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